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雑記。

マイルCSと降着制度

2016年マイルチャンピオンシップミッキーアイルが制した。
このレースでは、最後の直線でミッキーアイルが大きく斜行して審議になった。

最終レース終了後の勝利ジョッキーインタビューで、浜中が改めて反省と謝罪の言葉を述べた。好スタートから敢然とハナを切り、迫り来る後続の猛追を振り切って、直線半ばでもまだ先頭。だが、ここでミッキーアイルが外側にヨレたことで、ネオリアリズム、サトノアラジンディサイファダノンシャークが玉突き事故のように接触。特にディサイファ武豊は落馬寸前までバランスを崩し、「直線までいい感じで競馬ができた。それだけに何とも後味が悪い。よく転倒しなかったよ」と、その不利の大きさを明かしている。

ミッキーアイル2年半ぶり戴冠も後味悪く「僕の責任」浜中23日間の騎乗停止に - スポーツナビ

審議の結果、ミッキーアイル降着にならず、到達順位通りに順位が確定した。ところが、ネット上ではこの結果に対して不満の声があがっている。
JRAでは2013年1月に降着・失格に関して大きなルール変更があった。

降着・失格のルールを変更しました

《2012年までのルール》

○走行妨害が、被害馬の競走能力の発揮に重大な影響を与えたと裁決委員が判断した場合、加害馬は被害馬の後ろに降着
○走行妨害により被害馬が落馬・競走中止した場合、加害馬は失格

《2013年からのルール》

降着・・・入線した馬について、「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」と裁決委員が判断した場合、加害馬は被害馬の後ろに降着
失格・・・極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせたと裁決委員が判断した場合、加害馬は失格

降着・失格のルール

今回の場合、ミッキーアイルが斜行により他馬の走行を妨害したケースであることは明らかだ。しかし、裁決委員は、斜行があってもなくてもミッキーアイルが1着で入線していた可能性があると判断したのだろう。そうすると、「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」とはいえないので、降着はないことになる。
2012年までのルールでは「被害馬の競走能力の発揮に重大な影響を及ぼしたか」という基準だったから、当時のルールであれば今回のミッキーアイル降着になっていたのだろう。
ネットでは、「2010年ジャパンカップのブエノビスタが降着になって、今日のミッキーアイル降着にならないのはおかしい」という声もあったが、2010年と現在ではルールが違う。
ルール変更の理由についてJRAは次のように説明している。

Q:なぜ降着・失格のルールを変更したのですか?

A:競馬の国際化が進展するなか、降着・失格をはじめとした競走に関するルール全般について、国際的に統一されたルールとする必要性があることから国際会議で議論されるようになりました。
JRAはこの国際会議にメンバーとして参画しており、海外の競馬主要国におけるルールを参考にしてJRAのルールについて検証を行なった結果、馬がレースで見せたパフォーマンス(到達順位)が尊重され、シンプルで分かりやすい現在のルールに2013年から変更することにしました。

降着・失格のルール

現行ルールでは、今回のように、他馬の妨害をしても降着にならないケースが多くなる。それでは、他馬の妨害をしても何のおとがめがないのかというと、JRAは次のように説明している。

Q:走行妨害があっても着順が変わらないのであれば、ラフプレーが増えるおそれはないのですか?

A:加害馬の騎手に対しては、その違反行為及び被害馬の被害の程度に応じて厳正に制裁を科します。したがって、着順が変わらなくても騎乗停止などのペナルティーを科すことがあります。これによって、ラフプレーを防止し、公正で安全なレースを維持していきます。

降着・失格のルール

レースの結果と騎手に対する制裁は別々に考えるということだ。実際、今回もミッキーアイルに騎乗していた浜中騎手には、23日間の騎乗禁止という重い制裁が課されている。
こうして見ると、今回の結果は現行ルールからは当然ということになる。ネットでは、現行ルールは不合理という声も少なくないようだけれど、私は現行ルールが明らかに不合理とは思えない。旧ルールでは、レースの結果とほぼ無関係な違反でも降着になるという事態が生じてしまい、それはそれでおかしかった。例えば、現行ルールであれば、1991年天皇賞(秋)メジロマックイーンのようなケースでは、降着にならない。